スズメバチとミツバチでは毒性もかなり違います。ハチ毒にはアミン類、
酵素(ホスホリパーゼ:人の細胞膜を壊してしまう)、ポリペプチド(いわゆる
タンパク質)などがありますが、スズメバチではアミン類の種類が多く毒性が強いのです。
ただし、この毒が直接的な原因で人が死ぬわけではありません。
体内に侵入した時にこれを排除する抗原抗体反応という仕組みで異物を排除します。
ハチ毒に対してはIgEという抗体が立ち上がりやすいのです。
毒性が強いと、IgEがたくさん出動するため、ケミカルメディエーターが大量に放出され、
アレルギーが起こりやすく、ひいてはアナフィラキシーショックが起こりやすいこととなります。
2回目以降になりやすいのは、最初の異物の侵入によって作った抗体を、
再度作れるように記憶する細胞が作られるから。
そのおかげで同じ抗原が2回目に体内に侵入した時には、1回目よりも急速で、
かつ、大量の反応を起こすことになります。
ですので、1回目でアナフィラキシーが起こらなくても、
2回目以降でアナフィラキシーが起こるリスクがどんどん高まっていくことになります。
でも、報道があまりにいいかげんなので、正確な情報をお届けしないといけな
いということで。もう少々お付き合いください。
この時期、お腹を空かしてスズメバチは凶暴に、という報も違います。
スズメバチはそもそもミツバチとは違い、春先の女王だけで巣作りや子育てをすべてこなします。
この時期の女王は忙しく、攻撃性がほとんどありません。
人を襲うのは、彼女が産卵に専念できるようになり、娘である働きバチが羽化す
る夏過ぎのこの時期なのです。人を襲うのは娘たちなのです。
さて、スズメバチに遭遇したら、どうするか、ですが、まず、黒い部分を隠しましょう。
スズメバチの天敵は熊。これはミツバチも同じですが、よって、黒く動くものに反応します。
帽子がベストですが、なければ、ハンカチで頭の毛をまず隠す。そして、姿勢を低くする。
そして、そっと、刺激しないように離れるのです。早く逃げたいのはわかりますが、
慌てて動くのは危険ですので注意しましょう。